雷公神社で若者が神に捧げる歌
どんな伝承か
本野村荒野の字宮前にある雷公神社では、祭りのたびに氏子の若い男女が社前で共に神に歌を捧げるのが慣わしになっている。その歌は「港へおじゃれ、良き船には伊勢と書く、伊勢には豊受の大社」と始まり、若水を汲む娘や、京へ下る十七の娘、天竺の雲の隙間から雨を撒くさまなどを歌い込み、行くのか帰るのか名残惜しいお別れだと結ぶ変わったものである。このほかにも身の汚れを払って神前に供え、神を慰める歌がいろいろあり、古くは神託を請うた名残だろうと「本野村誌」は述べている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説叢書 下総の巻(藤澤衛彦・日本伝説叢書・1919年(大正8年))
『日本伝説叢書 下総の巻』は、藤澤衛彦が編著し、大正七年の緒言と大正八年の序を添えた下総国の伝説集である。平将門・佐倉宗吾・真間の手児奈・累などを中心に、千葉県と茨城県西部にまたがる旧下総の城跡・寺社・墓・橋・井戸などにまつわる伝説を、地誌や古記録の引用を交えて収める。緒言で百七十九編を収めると述べ、国名の由来から始めて、話ごとに所在の町村名を付した見出しを立てて並べる。