明治に再興された香取神宮の田植神事
どんな伝承か
香取神宮は常陸の鹿島神宮と並ぶ古社で、年中の神事は古くから数十度に及び、「香取志」はその次第を詳しく記している。数ある神事のうち田植えの神事は、古くは毎年行われていたが後に中絶し、明治十六年十一月に再び執り行われるようになった。神田に出て耕作の所作をし、音頭に合わせて歌う式歌は、「あれみさい、つくばの山の横雲」で始まり、「見上げてみれば大香取」と土地の景色を歌い、網打ちや稲の種、蔵開き、黄金の盃など豊作と繁栄を寿ぐ文句が「ホーイ、ホーイヤーホイ」の囃子とともに続く。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説叢書 下総の巻(藤澤衛彦・日本伝説叢書・1919年(大正8年))
『日本伝説叢書 下総の巻』は、藤澤衛彦が編著し、大正七年の緒言と大正八年の序を添えた下総国の伝説集である。平将門・佐倉宗吾・真間の手児奈・累などを中心に、千葉県と茨城県西部にまたがる旧下総の城跡・寺社・墓・橋・井戸などにまつわる伝説を、地誌や古記録の引用を交えて収める。緒言で百七十九編を収めると述べ、国名の由来から始めて、話ごとに所在の町村名を付した見出しを立てて並べる。