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二つに割れた釜の蓋を祀る金釜明神

所在地千葉県安房郡鋸南町元名(金釜明神)
年代文明己丑(室町期)
登場漁夫たち
出典日本伝説叢書 安房の巻

どんな伝承か

安房郡保田町大字元名、明金岬に隣る分屬の海で、文明己丑七月朔日の早朝から海の様子が一変した。波は山のように高く、舟の通う道も絶えたという。やがて海から大釜のようなものが浮かび、二十二日の明け方に磯へ寄った。当時十六軒しかなかった分屬の海人たちが恐る恐る近づくと、それは途方もなく大きな釜の蓋であった。漁夫たちが戯れに、二つに分かれたら神として祀ろうと言うと、蓋はたちまち二つに割れたので、驚いて祠を建て金釜明神として祀った。以来この岩場では蛸がよく釣れるようになり、上総側の明金岬では蛸が絶えたと伝わる。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本伝説叢書 安房の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・1919年(大正8年))

『日本伝説叢書 安房の巻』は、藤沢衛彦が大正八年に編んだ安房国(千葉県)の伝説集である。天富命の渡来や源頼朝・里見氏・日蓮にまつわる英雄伝説を中心に、社寺の縁起、風俗・信仰、船幽霊や一本足の蛸などの特異な伝承を、『安房志』『房総志料』などの地誌や寺伝・口碑から引いて収める。緒言と「安房国と牛」と題する序を巻頭に置き、鋸山から小湊まで各話に所在の郡村大字を添えて土地ごとに並べ、緒言では百八十六種を蒐集したと記す。

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