牛が進めなくなる姉弟神の足石
どんな伝承か
石垣島に姉神と弟神の二柱があった。姉神は弟神の曲がった心を正そうと苦心したが、弟神は少しも悔い改めない。姉神が高天原へ去ると、弟神は牛に乗って追いかけ、屋良部島の岩林に分け入った。姉神がこれを見て、この石から先へ進んではならぬと禁じたところ、牛は一歩も動けず、弟神は姉の姿を見失った。石の上には牛の蹄跡が残り、牛馬はこの石に近づくと進めなくなるという。
原典より
沖縄縣石垣島昔、姉弟の二神があり、姉神は弟神の邪曲の心を矯めんと苦心されたが、弟神は悔悟の色がないので、高天原に踊られた。—— 日本伝説名彙(柳田国男(指導)・日本放送協会(編)/関敬吾・石原美子(編纂)・1949年(昭和24年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男(指導)・日本放送協会(編)/関敬吾・石原美子(編纂)・1949年(昭和24年))
『日本伝説名彙』は、柳田國男の指導のもとに日本放送協会が昭和二十四年に編んだ伝説の名彙である。全国の伝説を、その拠り所となる木・石・岩・橋・清水・淵・塚・坂・屋敷・地蔵などの地物の名ごとに集め、伝わる県郡村名を付して、郡誌・市町村誌や伝説集、民間伝承誌などの出典を括弧で示す。冒頭に柳田の「傳説のこと」を置き、木・石岩・水・塚・坂峠・祠堂の部に分けて、巻末に資料の解説と種類別索引を付す。