天狗界を往来した車力・天狗の初さん
どんな伝承か
三重県桑名市で車力をしていた外川初次郎は、昭和三十年に五十八歳で亡くなったが、生前たびたび天狗界を行き来していたとされ「天狗の初さん」と呼ばれていた。元神宮寺(法雲寺)の上空には多くの天狗の棲み処が並んでいるという。初次郎を幽界に導いた天狗は一目連の眷属で、加納郁雄という名であり、旧幕時代は伊勢国員弁郡治田町の殿様で、安房国の生まれだったと伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』は、松谷みよ子が編んだ現代民話の資料集である。明治以降を目安に、日本民話の会の『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞書で全国から寄せられた話と、郷土誌や雑誌『旅と伝説』などからの引用を、県別に話者・回答者・出典を添えて並べ、奄美・沖縄のケンムンやブナガヤにも及ぶ。目次では河童・天狗・神かくしの三章の頭にそれぞれ「考」を置き、巻末に河童の名称、天狗・神かくし年表、あとがきを掲げる。