滝の天狗の休み木を伐った祟り
どんな伝承か
東牟婁郡大瀬の三和林業にいたころの話。体の具合が悪くなったので拝んでもらうと、どこかの滝で木を伐らなかったかと問われた。思い当たるのは、滝の後ろに張り出していたサルスベリかエンタという木で、架線を引くのに邪魔になるので伐ってしまっていた。それは天狗の休み木を伐ったのだと言われた。休み木だとははっきり知らなかったので、神主を頼んで滝で祓いをしてもらい、知らずに無礼をしたことを詫びて許しを請う祝詞を上げてもらった。昭和三十三、四年ごろの、ごく最近の出来事だという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』は、松谷みよ子が編んだ現代民話の資料集である。明治以降を目安に、日本民話の会の『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞書で全国から寄せられた話と、郷土誌や雑誌『旅と伝説』などからの引用を、県別に話者・回答者・出典を添えて並べ、奄美・沖縄のケンムンやブナガヤにも及ぶ。目次では河童・天狗・神かくしの三章の頭にそれぞれ「考」を置き、巻末に河童の名称、天狗・神かくし年表、あとがきを掲げる。