猫のたたりと信じた母の眼の病
どんな伝承か
荒川区日暮里、かつて谷中本と呼ばれた地での話。明治四十年生まれの母は子供の頃に猫を可愛がっていたが、姉妹で猫を取り合ったはずみに猫が放り出され、打ちどころが悪く死んでしまった。信仰心の篤い母は、その後に眼が悪くなったのを猫のたたりだと思い込んだ。幼い頃からその話を聞かされて育った語り手は、今も動物を好きになれず避けて暮らしているという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 10 狼・山犬、猫(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 10 狼・山犬、猫』は、松谷みよ子が日本民話の会の『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞き書きで全国から集めた話を編んだ現代民話の資料集である。明治以降を目安に、狼への畏れと信仰、送り狼や千匹狼、化け猫や猫の踊り、戦中の猫の供出、水洗トイレを使う猫までを収める。序文と各章の前文に続いて「狼・山犬」「猫」の二章を主題別の節に分け、各話例の後に類話の採集地・話者・出典を「分布」として並べる。