右手の写らぬ写真と身重の妻
どんな伝承か
一九九二年頃、知人の娘さん夫婦が一枚の写真を持って相談にやってきた。写真では、奥さんの右手が肩先から写っておらず、しかもその時、奥さんは初めての子を身ごもっていた。手のない子が生まれるのではと不安がる二人に、写真は科学的には説明できないが不吉な前兆ではないと伝えて帰したところ、後日五体満足の女の子が無事に生まれたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 12 写真の怪・文明開化(松谷みよ子・現代民話考(立風書房)第十二巻・1996年(平成8年))
『現代民話考 12 写真の怪・文明開化』は、松谷みよ子が一九九六年にまとめた現代民話の資料集で、同シリーズの第十二巻にあたる。雑誌での呼びかけやアンケート、聞き書きで寄せられた話と新聞・雑誌の記事を、心霊写真をめぐる怪異と、明治以降の電信・汽車・電気燈などの新しい文物や流行病に戸惑う人々の話に分けて収める。話例ごとに本文を掲げて各地の類話を分布として並べ、話者や回答者の名と出典を添える。