オセロという煙草を探した男
どんな伝承か
二月、明治座で川上音二郎の一座が翻案した「オセロ」が上演され、大変な評判を呼んだ。世間の人々が口々にオセロ、オセロと言い交わすのを聞きつけ、それを新発売の煙草の名だと早合点した男がいた。男は煙草屋へ出向き、オセロという銘柄はあるかと尋ねたという。舞台の題が商品名と取り違えられた、文明開化のころらしい早合点の笑話として伝えられている。
原典より
回答者・中村博(東京都在住)。—— 現代民話考 12 写真の怪・文明開化(松谷みよ子・現代民話考・1990年代初期(平成初期)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 12 写真の怪・文明開化(松谷みよ子・現代民話考・1990年代初期(平成初期))
松谷みよ子『現代民話考 12 写真の怪・文明開化』を小話単位で全550話収録。心霊写真など写真の怪と、文明開化期の怪異にまつわる現代の民話を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明496話・市区町村判明377話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。