血だらけの妹が現れた夢
どんな伝承か
昭和五十七年のある日のこと。学校の帰り道、友達と遊んでいる妹を見かけ、暗くならないうちに帰るようにとだけ告げて先に帰宅した。ところが妹は夜中になっても帰って来ない。誰かに誘拐されたのではと探しに行こうとした時、玄関の戸が開く音がした。母と急いで出てみると、そこに立っていたのは全身血だらけで顔のつぶれた妹で、「どうしたの」と尋ねると「さよなら」と答えて消えた——という変な夢であった。その日、妹は交通事故に遭い顔を傷つけてしまった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』は、松谷みよ子が編んだ「現代民話考」の一冊である。日本民話の会の雑誌『民話の手帖』のアンケートへの回答や聞き書き、新聞・雑誌の記事から集めた、予知夢や死の知らせの夢、死者や神仏の夢告げ、死の前後に出る火の玉、生きている人から抜け出す魂の話を各地から収める。三章それぞれの冒頭に編者の論考「考」を置き、項目ごとに代表的な語りと、県別に並べた短い報告を話者・回答者・出典を添えて載せる。