葦毛の死馬を見た正夢
どんな伝承か
遠野のある村で村長を務めた人は青笹村の生まれで、若い頃には同じ村の役場で書記をしていた。春の清潔法の執行にあたり、巡査と連れ立って各部落を回っていた時期のことである。ある夜、村の誰彼が葦毛の死んだ馬を担いで来るのに出会うという夢を見た。ところが翌日、現実にも葦毛の死馬を担いだ人々と行き合った。出会った場所も、その時のありさまも、夢で見たものとそっくりだったという。あまりに不思議なので今でも折にふれ思い出すと、本人が直に語った。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』は、松谷みよ子が編んだ「現代民話考」の一冊である。日本民話の会の雑誌『民話の手帖』のアンケートへの回答や聞き書き、新聞・雑誌の記事から集めた、予知夢や死の知らせの夢、死者や神仏の夢告げ、死の前後に出る火の玉、生きている人から抜け出す魂の話を各地から収める。三章それぞれの冒頭に編者の論考「考」を置き、項目ごとに代表的な語りと、県別に並べた短い報告を話者・回答者・出典を添えて載せる。