共同墓地に飛ぶ火の玉と海の遭難
どんな伝承か
明治三十五年頃のこと。女川の指ノ浜の共同墓地の上を、光るものが毎晩ひょっひょっと飛び、大勢の人がガヤガヤホイホイと話す声がした。近くに茅刈り小屋を建てて住んでいた人がそれを見て、さみしくてさみしくてならず、何かあるなと言っていたところ、村のかつお舟が暗礁に乗り上げ、乗っていた者は一人残らず死んだ。村中の男が死んだほどの、大変な遭難だったという。葬式がすむと、火の玉はばたりと出なくなった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考・昭和50年代~60年代(推定))
松谷みよ子『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』を小話単位で全513話収録。夢のお告げ・予知夢、火の玉、ぬけ出した魂(離魂)など、心と生死の境にまつわる現代の民話を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明482話・市区町村判明386話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。