櫃ヶ山の桜木坊と大山の神の衣くらべ
どんな伝承か
本庄の向こうにそびえる櫃ヶ山には、天狗様の羽根干し松といって大きな松があり、この山の天狗は桜木坊と呼ばれた。桜木坊が松の上で羽根を干して昼寝をしていると、伯耆大山の神が通りかかって松を貸せと頼んだ。行で衣が傷むからと断ると、衣の下だけでよいと食い下がったが応じてもらえず、腹を立てて以後つきあわぬと告げて帰った。後日、今度は桜木坊が大山を訪ね、先の言葉を逆手に取って衣を大きく広げると、大山の山々がすっかり衣の下に収まってしまい、桜木坊は大山の天狗になった。それでも故郷は忘れず、旧暦八月になると松の上に白い霞がかかり、里の者は天狗が戻ったと噂したという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考・昭和〜平成)