道を二股に割って残された坂の木
どんな伝承か
大阪の上本町四丁目、坂の途中に一本の木が昔から立っている。小ぶりな樹で、おそらくクスだという。道のまんなかを占めており、普通なら伐り倒されていてもおかしくないのに、地元の人々からは大切な木として扱われてきた。五〇年前にはすでにそうだったという。舗装はきれいに敷き直されたのに、木はいまも残り、道はわざわざその木を両側から挟むように二筋へ分けられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 9 (木霊・蛇)』は、松谷みよ子が全国の回答者から寄せられた報告と各地の民話集をもとに編んだ『現代民話考』の一巻である。明治から平成にかけて語られた、伐ろうとすると祟る木・泣く木・血を流す木などの木霊の話と、大蛇やつちのこ、蛇婿・蛇女房、主や守り神としての蛇、蛇と福運などの話を、話者や回答者の名とともに収める。第一章「木霊」と第二章「蛇」を主題ごとの節に分け、各話例の後に「分布」として類話の地名と出典を並べる。