男松女松に分かれた相生の松
どんな伝承か
坂城町に御所の里というところがあり、高い岩山に村上義清の城趾がある。二五〇年ほど前の物語と伝えられるが、悲運の村上義清が武田信玄に滅ぼされて落ちてゆくとき、菩提寺に一本の松を植えたそうだ。その松は育つにつれて二本に分かれ、男松女松となって、いまでは大木となっている。相生の松といって国の文化財となり、年に一回しめ縄を張って大切に育てている。不思議なことに、男松に実がついて女松に実がつかないので、村の長老たちが不思議がっているという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 9 (木霊・蛇)』は、松谷みよ子が全国の回答者から寄せられた報告と各地の民話集をもとに編んだ『現代民話考』の一巻である。明治から平成にかけて語られた、伐ろうとすると祟る木・泣く木・血を流す木などの木霊の話と、大蛇やつちのこ、蛇婿・蛇女房、主や守り神としての蛇、蛇と福運などの話を、話者や回答者の名とともに収める。第一章「木霊」と第二章「蛇」を主題ごとの節に分け、各話例の後に「分布」として類話の地名と出典を並べる。