牧水が伐採から守った千本松原の松
どんな伝承か
千本松原は、沼津市の狩野川河口から富士市の富士川河口を結ぶ海岸のクロマツ林で、延々約二〇キロに及ぶ。砂防の役を果たすとともに、背景の富士山とあいまって美しい景観をつくっている。松を植えたのは増誉上人という僧で、戦国時代、北条と武田の戦いで松が戦略上切り払われたのを悲しみ、石の原で根づかぬ土地に読経しながら一本また一本と植え、ついに一〇〇〇本を植えつけたという。後世この松を守ったのは歌人の若山牧水で、一九二六年に静岡県が財源作りに伐採を計画すると怒り、反対の市民大会で演説し、ここを切り払われるのは沼津にとって眉を落とし頭をそり落とされるに等しいと書いた。松は守られた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考・昭和〜平成)