漁師の目印の松を伐った跡の兵舎
どんな伝承か
昭和一九年頃の話である。私どもが入隊したとき、すでに使用されていなかった三重海軍航空隊の第一兵舎にまつわる話がある。沖に出た香良洲の漁師たちが目じるしにしていた松が、航空隊の建設のために切られた。夫婦松の一本が切られ、他は枯死したものらしい。その跡に建てられた第一兵舎では、怪我人や首吊りなどの事故が絶えず、とうとう使用されなくなったという。滑走路の一部には墓石が残されていたりもした。日本の航空隊には怪談がつきものであった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考・昭和〜平成)