息子の死の翌年に倒れた栗の木
どんな伝承か
私は田舎育ちなので、子どもが生まれたらこの子が元気に育つようにと木を植えていた。子供は七人いる。そのうち一人の息子が四一歳で亡くなった。すると昨年の台風で、一本の大きな栗の木が倒れた。因縁というものはあるのだなとつくづく思う。今は孫のために植えている。その孫が、これはぼくの木よね、と言って、すくすく育った樫の木に縄をさげ、ぶらんこをして喜んでいる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 9 (木霊・蛇)』は、松谷みよ子が全国の回答者から寄せられた報告と各地の民話集をもとに編んだ『現代民話考』の一巻である。明治から平成にかけて語られた、伐ろうとすると祟る木・泣く木・血を流す木などの木霊の話と、大蛇やつちのこ、蛇婿・蛇女房、主や守り神としての蛇、蛇と福運などの話を、話者や回答者の名とともに収める。第一章「木霊」と第二章「蛇」を主題ごとの節に分け、各話例の後に「分布」として類話の地名と出典を並べる。