初和の谷奥に出た足のない怪物
どんな伝承か
初和の谷奥にいるのだという。つちの子を見たことがある。一尺ぐらいのもので、頭は蛇のよう、尻尾は鼠のようなもので、足がない。初和の谷奥へ木を伐りに来てくれと言われて伐りに行ったところ、たたたたっと山の上の方の藪から出てきた。まことに奇妙な、蛇でもないおかしなものが出てきたので、とうとう木を伐らずに帰ってきた。青い顔をして飛んで出たので、血の気のない顔をしてどうしたのかと問われ、奇妙なものを見て気味が悪くてかなわなかったと言うと、ここではひちむちゃとも、つちころびとも、いろいろな名で言う者がいるのだと言われた。若い頃、妻も中和の上杉へ草刈りに行って見たという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考・昭和〜平成)