大竜寺の狐が落とした宝生の玉
どんな伝承か
瀬波の大竜寺には、オクメキツネと呼ばれる、人を化かすのが巧みな雌狐がすんでいた。あるときこの狐が宝生の玉を落としていった。年を経た狐は尾の先の毛が白くなって玉ができ、それが大きくなると神通力を得て自在に化けられるといい、玉は狐の宝である。拾った和尚が隠すと、狐は与平次どんの家の老人に化けて取り返しに来て、口先や術を尽くしたが、和尚は寺の宝だと言って見せなかった。のちに玉が風で庭のイチョウに掛かっていたことが二度あり、いまでは玉は三つある。悪人が見ると目がつぶれるとされ、めったに人には見せないという。
原典より
瀬波の大竜寺に、オクメキツネといって、人をだますことの上手な女ギツネが棲んでいた。—— 村上市史 民俗編 下巻(村上市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
村上市史 民俗編 下巻(村上市史)
『村上市史 民俗編 下巻』は、新潟県村上市の市史の民俗編から、口承の節(伝説・世間ばなし・謎とことわざ)を抜き出したものである。地名・神社・寺や仏・地蔵・水・人・動植物・塞の神・杖の跡に分けた伝説と、狐や河童、火の玉、山の神などの世間ばなしを、土地の言葉の語りのまま採集地を添えて収める。義経が跳び越えた一跳山、三面川の小助島、岩船の大火など、村上市内の土地に結びついた話が中心である。