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五輪塔の供養を頼んだ子連れの婦人

所在地広島県三原市(三原町小学校)
年代昭和三年
登場松田喜代治、松本、校僕・体験者、小学校長
出典日本怪談集 幽霊篇

どんな伝承か

及川儀右衛門の『芸備今昔話』に載る話。昭和三年、備後御調郡の三原町小学校で、校僕の松田喜代治の寝室に深夜「もしもし」と呼んで入ってくる者があった。四十前後の気品ある婦人が、誕生を過ぎたばかりの子を抱いて枕辺に座り、もとは島根県の士族で三原町へ移り、前年まで隣地に葬られていたが住まいを壊されて居場所がない、安住の場所を作ってほしいと頼んだ。念仏者の松田が諭すと礼を言って去ったが、毎晩同じ時刻に現れる。校長の松本が同宿した夜には出ず、青年団員には声だけが聞こえた。女子師範の舎宅付近で転がる小さな五輪塔を見つけ、中台院の境内に移して供養すると婦人は礼を述べ、二十日余り通ってのち来なくなったという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本怪談集 幽霊篇(今野圓輔・今野圓輔・日本怪談集・1969年(昭和44年))

『日本怪談集 幽霊篇』は、今野圓輔が昭和四十四年に編んだ幽霊体験談の集成である。新聞・雑誌・単行本や民俗の報告、編者自身の採集から、影や物音、人魂、生霊、死の知らせ、皿屋敷、戦死者の霊、船幽霊、タクシーに乗る幽霊など、日本各地の人びとが見聞きした怪異を、作家の創作を除き原文を尊重して再録する。十章に分けて各章の頭に編者の解説と注を置き、巻末に産女や子育て幽霊を論じた「幽霊外伝」と木原浩勝の解説を付す。

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