無人駅で消えた真夜中の臨時電車
どんな伝承か
地下鉄に生まれ変わるためにもうレールを外されてしまった、東京の渋谷と二子玉川の間を走っていた玉川電車の話である。砂利運搬用からサラリーマンを乗せるようになった頃、終電がとうに通り過ぎた夜半に、ひとりの女性を乗せた幻の臨時便が走った。通りがかった付近の者が、最寄りの当時は無人だった駅まで後を追って走って行ったところ、電車がホームに着いたと見えた瞬間、女もろとも電車ごと消えてしまっていたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪談集 幽霊篇(今野圓輔・今野圓輔・日本怪談集・1969年(昭和44年))
『日本怪談集 幽霊篇』は、今野圓輔が昭和四十四年に編んだ幽霊体験談の集成である。新聞・雑誌・単行本や民俗の報告、編者自身の採集から、影や物音、人魂、生霊、死の知らせ、皿屋敷、戦死者の霊、船幽霊、タクシーに乗る幽霊など、日本各地の人びとが見聞きした怪異を、作家の創作を除き原文を尊重して再録する。十章に分けて各章の頭に編者の解説と注を置き、巻末に産女や子育て幽霊を論じた「幽霊外伝」と木原浩勝の解説を付す。