墓石を買人と見た魚屋の実見談
どんな伝承か
昭和二十五年ごろ、亘理町吉田では狐にばかされた人の実見談がいくつも語られた。ある魚屋は墓場の中に板台をかつぎ込み、石仏や石塔を買人と見て、魚をさかんに鉤でひっかけては投げつけ、残らず狐に食われてしまった。ある家の亭主は夜おそく帰る途中、迎えに来た妻が赤飯を炊いて待っているというので、嫌いなものをなぜ炊いたと言い争ううちに魚の包みを投げつけて帰ったが、女房はどこにも出かけず在宅しており、手土産だけが無くなっていた。狐になど化かされないと威張る男は、道端に落ちた金貨を追いかけて掴むと、それは垂れかけの糞であったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
宮城県史 民俗編(宮城県史シリーズ・昭和中期(推定1960-1970年代))
宮城の民間信仰と禁忌(宮城県史民俗編)/禁忌を破る祟りと火玉/河童・狐狸の怪/年中行事と俗信/地域の幽霊・妖怪伝承