15:奇怪な男装の女俥夫にまつわる哀れな話
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どんな伝承か
明治八年五月のある夜、身投げをしようとした人力車夫を巡査が抱き止め、芝の警視分庁で調べたところ、芝西応寺町の島田某方に同居する時次郎二十歳と分かった。車に敷く借蒲団を質入れし、その代金五十銭が払えず借主に打擲された無念と貧苦から死を計ったのだという。ところが姿形にどこか女らしいところがあり、車夫仲間で「女の時」と仇名されていたため厳しく取り調べ、無理にもろ肌をぬがせると女であることが露見した。実は元甲府勤番組水上忠左衛門の娘エイで、明治元年に官軍が進撃した際に親兄弟とはぐれ、親を捜すため十五歳で男装し、車を買って稼いでいたのであった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪奇集成-明治大正昭和篇(富岡直方編著・日本怪奇集成・昭和初期(推定昭和2-3年))
明治・大正・昭和の怪奇譚(日本怪奇集成)/生首と幽霊の怪/狐狸のいたずら/怪盗と世相の怪異/各時代の不思議な事件
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