内臓が左右そっくり反対の初年兵
どんな伝承か
青森歩兵第五聯隊第十一中隊に、内臓の位置が左右とも普通の人とまるで反対についているという、珍しい兵隊が見つかり、軍医たちを驚かせた。その兵隊は一月十日に初年兵として入営した増田明(仮名)二十二歳で、身体検査の際にも疑いを持たれていたが、青森県立病院で診断した結果、各内臓がすべて左右反対にあることが明らかになった。内臓の一部が転位している例は折々発見されるが、この兵のように全部が転位しているのは医学上まれなことだといわれている。造物主もなかなか奇妙な悪戯をするものではないか、と記事は結んでいる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪奇集成-明治大正昭和篇(富岡直方 編著)
『日本怪奇集成-明治大正昭和篇』は、富岡直方が編んだ怪奇実話集である。明治元年から昭和七年までに各地で起きた幽霊や狐狸の怪、畸形や奇病、天変や奇瑞、世相の珍事を、当時の新聞・雑誌の記事と筆者自身の聞き書きから集めている。明治・大正・昭和の三篇に分け、話ごとに年月を掲げて通し番号を振り、新聞記事を引いたうえで紙名を末尾に添える形を基本とする。