箱根の足長妖怪
どんな伝承か
女の旅はなかなか許されず、入り鉄砲出女として関所で厳しく見張られた時代のことである。箱根の関所にはまだ遠い山道に、若い女が一人さしかかった。そこへ旅の若い男が、旅は道づれ、と声を掛けると、女は同行するという。しばらく歩き続けて一休みすることになり、二人は山道の端に足を投げ出して腰を下ろした。切り立った谷底が見える。男がふと女の脚の先を見ると、幾丈ともある谷底まで女の足が伸びているのだ。旅の男はびっくりして逃げ出した。この女は足長妖怪で、旅する若い男をからかうのだそうだ。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
怪談の世界(山田野理夫・昭和中期(1977年頃))
ザシキワラシ(座敷童子)と福の神(怪談の世界)/遠野・東北の怪異伝承/家運の盛衰と怪音/妖怪と幽霊譚/山田野理夫の怪談採集