蛸の化身と契り蛸を産んだ娘
どんな伝承か
相馬の折笠の娘フジは、海に出て働けば男以上といわれる働き者で、しかも美しかったので、どこの家でも嫁にほしいと思っていた。名主の息子からも申し込みがあったが、フジは首を横に振るばかりであった。その頃、フジのもとへ晩になると美男の小姓が通ってくるようになり、フジはこの小姓と契りをもった。おまえはどこから来るのかと尋ねても、小姓はなぜか笑って答えなかった。やがてフジは身重となり、赤児を産んだが、ぽとり、ぽとり、ぽとりと落ちたのは蛸が三匹であった。小姓はフジの美しさに惹かれた蛸の化身だったのである。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
東北怪談の旅(山田野理夫・昭和49年(1974年)頃)
東北怪談の旅(山田野理夫)/飢饉の非業の死と怨念/巫女(イタコ)の口寄せ/座敷童子・河童の怪/東北各地の幽霊伝承