納戸で臼をひく亡き祖母
どんな伝承か
会津城下の酒造屋の女房が、赤児を産むために実家へ戻っていた。留守の間に主人は下女を納戸に引き入れて契った。灯りを消してあるので納戸の中は暗い。ふと主人は下女から離れた。誰もいないはずなのにギシギシと臼をひく音がするからである。暗さに目が慣れてくると、納戸の隅で老婆が一人臼をひいていた。その顔がだんだんはっきりしてくると、それは実家に戻っている女房の亡くなった祖母であった。主人があわてて灯りを点すと、老婆も臼も消えていた。納戸婆は女房のほうの祖母がなるものだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
東北怪談の旅(山田野理夫・昭和49年(1974年)頃)
東北怪談の旅(山田野理夫)/飢饉の非業の死と怨念/巫女(イタコ)の口寄せ/座敷童子・河童の怪/東北各地の幽霊伝承