棺桶から三つ出てきた死骸
どんな伝承か
久保田城下の今井屋の主人が亡くなった。若い頃から遊んでそれを通しておわった末、酔ってあばれ馬をからかって蹴られたのである。家人はその死にかたを恥じ、通夜も内輪で済ますことにした。故人にふさわしい死にかただ、粋なものではないかと言い合う二人の客が盃を重ね、家人はあきれて座敷を退っていった。夜更けに棺桶のふたが開いて主人が出てきて、酒の匂いをかがせるだけかいといい、三人で大いに酔うた。主人が自分を蹴った馬にうらみをいってやりたいというので、三人で馬小屋にいってからかうと、馬は怒って客二人を蹴り殺した。三人は今井屋に戻って棺桶に入り、あくる朝、家人が開けると死骸が三つあった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
東北怪談の旅(山田野理夫・昭和49年(1974年)頃)
東北怪談の旅(山田野理夫)/飢饉の非業の死と怨念/巫女(イタコ)の口寄せ/座敷童子・河童の怪/東北各地の幽霊伝承