湯灌の水を飲んだかわうその怪
どんな伝承か
庄内可成談にある話である。天明年間のこと、鶴岡の上肴町の下、七日町の橋のわきに髪結いが住んでいたが、その妻が死んで七日目の夜から、毎夜、幽霊になってやってきた。祈祷などをして早く浮かんでくれと頼んでも効き目がなく困っていると、これを聞いたある人が、明和年間にも大山海道の中島成徳院という僧が死んでから毎晩やってきて、修験者のところで加持祈祷をしても効かなかったと語った。むかし本住寺の住職は、孕んだかわうそが死人を湯灌した残り水を飲むと必ずそうした怪異が起こる、砂か灰を撒いて足跡を調べればそれから後は来なくなると言っていたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
お化けは生きている —科学にとり残された霊の世界(平野威馬雄・昭和49年(1974年)8月20日初版・双葉社)
「お化けを守る会」世話人頭・平野威馬雄が、幽霊・心霊・物の怪・心霊科学を縦横に語る一書。第一章は読者から寄せられた現代の幽霊・たたり実話(八幡市の泣き声屋敷、秋田の生首屋敷、お盆の帰省霊、四谷怪談のたたり、双生児に取り憑く絞殺被害者の霊、大刈峠殺人事件の幽霊と霊能者・三好天泉による招霊で犯人像が捜査と符合した実録)を収める。