大雪の夜に玄関をたたいた父の気配
どんな伝承か
柏市ひばりが丘の話。昭和四十九年十二月、父は長年の闘病生活を送っていた。十二月の大雪が降る午前二時頃、話者は床についた。うとうと眠りに入った頃、雪がシーンシーンと降る音が響き、玄関を叩く人の気配を感じた。あとで聞いた話では、おばの所でも父が亡くなる時に同じ体験をしたそうである。午前三時頃、ジープが雪をかき分けて病院から急を告げに来た。父はすでに亡くなったという。親しい人が亡くなるときは何か重圧感を得るものだ、と語っている。
原典より
当時小学校四年生だった息子の友人が肝臓の病気で入院していた。—— 現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・2003年(平成15年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・2003年(平成15年))
『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』は、松谷みよ子が編んだ現代の民話の聞き書き集で、二〇〇三年一月付の文庫版まえがきを持つ筑摩書房の文庫版である。一九七八年に発刊された『民話の手帖』を通じて全国から寄せられた回答を中心に、臨死体験、死の知らせ、寺へ来る死者、生まれかわりの話を収める。「あの世へ行った話」「死の話」「生まれかわり」の三章の冒頭に編者の論考を置き、細目ごとに所在地・話者・出典を添えた類話を並べる。