箱の中のマイクに届いた戦災死の女の声
どんな伝承か
昭和二十三年三月六日の夜、日本心霊科学協会は目黒区南一丁目にある理事長吉田正一の邸で、萩原霊媒による直接談話の実験を行った。外の音を拾わないようマイクロフォンに詰め物をして、鍵をかけた厚い木箱に入れて一同の膝の前に置き、拡声器は列席者の中ほどに据え、増幅器は東京工大電気科の人々が調整した。それでも拡声器から声が流れ、まず深川で戦災に遭って死んだという女の霊が語り、続いて萩原霊媒のいつもの指導霊が出て、その女の霊について説明したという。
原典より
はじめに深川で戦災で亡くなったという女の霊、次にいつも出る萩原霊媒の指導霊が出て、先刻の女の霊について説明した。—— 霊魂の世界 ― 心霊科学入門(板谷樹・宮沢虎雄・1971年(昭和46年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の世界 ― 心霊科学入門(板谷樹・宮沢虎雄・1971年(昭和46年))
『霊魂の世界――心霊科学入門』は、板谷樹と宮沢虎雄が昭和四十六年に著した心霊科学の入門書である。古代の霊魂観や内外の幽霊の記録に始まり、ハイズビル事件と英米の心霊研究学会の創立、霊視・霊言などの精神的現象、物質化や心霊写真などの物理的現象、心霊治療、死と再生までを、日本心霊科学協会での実験や勝五郎再生の現地調査を交えて述べる。全十二章からなり、昭和四十二年に徳間書店から出た同題の本に筆を加え、同協会が自費出版したものである。