孫に乗り移った父の霊魂の証言
どんな伝承か
交通事故で息子の一久を失った父のもとに、通夜の夜から一久が現れ、このままでは泣き寝入りになる、みんなのために立ち上がってくれと訴え続けた。事故を目撃した唯一の老人は証言をひるがえし、運転手は不起訴となったが、その三日後に急死する。父は運輸会社を相手取り東京地方裁判所へ訴え出た。裁判はいずれも一久の命日にあたる日に開かれたという。昭和三十八年六月二十一日、事故当時五歳だった孫の輝武が証言台に立ち、裁判長の鋭い問いによどみなく答えた。父の霊が乗り移ったのではないかと囁かれた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の世界 ― 心霊科学入門(板谷樹・宮沢虎雄・1971年(昭和46年))
『霊魂の世界――心霊科学入門』は、板谷樹と宮沢虎雄が昭和四十六年に著した心霊科学の入門書である。古代の霊魂観や内外の幽霊の記録に始まり、ハイズビル事件と英米の心霊研究学会の創立、霊視・霊言などの精神的現象、物質化や心霊写真などの物理的現象、心霊治療、死と再生までを、日本心霊科学協会での実験や勝五郎再生の現地調査を交えて述べる。全十二章からなり、昭和四十二年に徳間書店から出た同題の本に筆を加え、同協会が自費出版したものである。