浮き沈みの果ての赤い太鼓橋
どんな伝承か
東京都港区の森貝光子は六十八歳。十九歳のとき肋膜炎にかかり、高熱が一週間続いた。熱を下げる薬もなくただ寝ているうち、急に体が浮いて部屋の隅へ吸い込まれるように上がり、また下がってきた。まるでエレベーターに乗っているようだったという。それが七、八回続いた末に穴へ吸い込まれ、気がつくと目の前に赤い太鼓橋があり、あたりは花園で音楽も聞こえた気がするという。橋の下の川には子どもの頃の遊び友達が大勢いて、着物の裾を引きながら、いい所へ連れていってあげるから一緒に来いと誘った。新しい下駄がないからと断るうちに目が覚め、枕元では家族が泣いていた。祖母が渋団扇であおぐ風の感覚が浮き沈みの正体かという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
臨死体験(立花隆)(立花隆・臨死体験・ノンフィクション・平成)
トム・ソーヤーの変身・オメガプロジェクト・色を聴く(共感覚)・クンダリニー覚醒・時間なき世界・光の存在/光の世界・星への旅・体外離脱とは何か・脳と心の関係・シルヴィウス溝・死のリハーサルなど全章にわたり、臨死体験者の証言(弟の気持ちを知る・ベトナム帰還兵・登山家の奇跡)と、ムーディやケネス・リングらの研究、脳科学的解釈を縦横に検討。