大本の世の立替え予言への身上相談
どんな伝承か
語り手が東京外語に通っていた大正七年の晩秋のこと。同じ下宿の石賀茂君が回してくれた読売新聞の身上相談欄に、奇妙な投書が載っていた。ある婦人からの相談で、京都府下のある町に本部を置く宗教団体が多数の宣伝員を各地へ派遣し、世の立替え立直しを盛んに唱えているという。世界人類が神意に背いてきた結果、人類滅亡の大惨事が迫っており、明治二十五年から大地の祖神が再び人間界に出現して三千世界の立替えを断行される、心底改心せねば戦争・疫病のほか天変地異が続出し世界の人類は三分の一に減るであろう、という内容だった。投書はこれは本当かと記者に問うていた。
原典より
ある日石賀君が私の部屋に廻して来た読売の身上相談欄に出ている、奇妙な内容の投書文がふと私の目に触れました。—— 日本神異見聞伝(笠井鎮夫・1974年(昭和49年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本神異見聞伝(笠井鎮夫・1974年(昭和49年))
『日本神異見聞伝』は、笠井鎮夫が昭和四十九年に著した霊異の見聞記である。第一篇では、大正期に大本で鎮魂帰神を受けた著者が、霊媒による死者の招霊や狐霊・竜神の託宣、霊石の発掘などを研究会での語りの口調で伝える。第二篇では、慶応三年のええじゃないかのころ尾張・遠江・駿河・美濃・丹後などで起きたお札降りを、旧家の古文書や郷土史家の便り、著者の現地調査から記録している。