世田谷の療養先から人魂となって出た詩人
どんな伝承か
詩人の竹内てるよさんが雑誌に寄せた、人魂となって外を漂った体験である。二十歳で結婚し子を身ごもったころ結核で生死の境をさまよい、その後は脊椎カリエスでギプスをはめ、世田谷区で二十年あまり療養した。起き上がれない十五年の間に魂が体を離れるようになり、青葉の匂う初夏の夜、手のひらに集まった電気のような力がすっと抜け出すと、彼女は南瓜ほどの玉になり、鴨居から寝ている自分を見下ろした。雨戸の隙間から外へ出て軒の高さを漂っていると、老人に手を引かれた坊やが人魂が来たと怖がった。後日その農家の老人に尋ねると、嫌な晩だったと答えたという。
原典より
* 心霊写真の不思議* 映像テレパシー 白日夢* 新幹線の四次元地帯* 「霊震」に揺らぐ文殊堂* 医学を超える「心霊治療」* 物品引き寄せの秘法—— 日本の四次元(鈴江淳也・心霊・四次元・1973年(昭和48年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の四次元(鈴江淳也・心霊・四次元・1973年(昭和48年))
『日本の四次元』は、鈴江淳也が昭和四十八年に著した超常現象の取材記である。幽霊の出る家や競馬場、古武士の怨念、守護霊、心霊写真、新幹線の四次元地帯、心霊治療、物品引き寄せ、てのひら療法、比婆山の怪獣やツチノコ、死後も占う易者犬などを、当事者を訪ねて聞いた話として記す。「幽霊と怨念の世界」から「動植物の驚異」まで六部に分け、あとがきで大陸書房刊『日本の奇談』『現代の怪奇』に続く第三弾と述べ、問い合わせ先を挙げる。