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袖を引いた疱瘡死の五歳の子

所在地東京都文京区小日向
年代江戸期
登場栗原某、五歳の子息
出典科学的教養

どんな伝承か

栗原某という者が小日向に住み、近隣の旗本屋敷へ常に出入りして、奥まで通るほど懇意にしていた。その家には五歳になる一人の子息があり、至って愛らしい生まれつきで、栗原はたいそう可愛がって通うたびに土産を携えて行った。しばらく訪ねずにいたところ、屋敷から今晩は是非来るようにと申し越してきた。玄関から上がって勝手の方の廊下へ行くと、例のようにその小児が出て来て栗原の袖を引き、勝手の方へ導いた。勝手には何かしめやかに屏風などが立ててあり、病人でもあるのかと何気なく通ると、主人が出て来て、かねて不憫がっていた五歳の倅は疱瘡で相果てたと語った。栗原は驚いたばかりか身の毛がよだったと、直々に語ったという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

科学的教養(小泉丹・小泉丹・科学論・1948年(昭和23年))

『科学的教養』は、小泉丹が昭和二十三年に春秋社から刊行した、科学的なものの見方を説く評論である。精確さ・合理性・実証の面から科学的と非科学的の違いを論じ、河童の記録や呪いの効き目、『耳袋』の怪異談、狐憑き、幽霊・化物屋敷、人魂・鬼火・怪火を例に、日本人のものの考え方を検討する。昭和十七年に書いた前版を戦後に改稿したもので、序と起序に続く七章から成り、旧稿の終わりの二章を除いたと序に記す。

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