八幡神と大仏造営
どんな伝承か
筑紫の八幡神は正体のはっきりしない神だが、奈良の朝廷から奉幣を受け、たびたび託宣を下していた。早くから仏教と結びつき、八世紀の半ばには平城京に迎えられ、東大寺の大仏造営の際にも神威を示して助けたと伝える。神人たちの働きかけもあったに違いないが、これを機に八幡神は各地に社殿を設けて勧請されるようになり、東大寺の鎮守に手向山八幡、薬師寺に休岡八幡が祭られたのもこの頃である。
原典より
早く仏教と結びついて八世紀の半ばに平城京に迎えられ、東大寺大仏の造営にも神威をあらわしてこれを助けたという。—— 日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか)
『日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗』は、原田敏明・池上廣正・堀一郎ら十二人の執筆者による論文集である。民間に伝わる神と霊の観念、家や村の氏神、職業の神、祭りの日取りと組織、憑きものや妖怪を題材に、各地の調査報告や古記録に見える事例を引いて論じる。原田の総説に始まる十七編からなり、後半では修験道・庚申信仰・キリシタン・新興宗教と民間信仰とのかかわりを扱う。