善知鳥神社と鳥頭中納言安潟
どんな伝承か
人皇十九代允恭天皇の御時、鳥頭中納言安潟は罪を得て都を追われ、高倉の霊夢に導かれて外ヶ浜の湯の島のほとりに着いた。海岸の干潟に小祠を建て、宗像の三女神を祀ったという。安潟の死後、どこからか一番の異鳥が飛んで来て、雄がうとうと啼けば雌はやすかたと応えた。あるとき猟師が雄を捕らえると雌は悲しんで啼き、まもなく猟師も非業の病に倒れた。里人は恐れて塚を立てて祀ったという。安潟は死に臨み、三女神を勧請した地から未申の方角に葬るよう遺言し、その場所に建てられたのが県社善知鳥神社であると伝える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第1巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第1巻』は、叢書『日本伝説大系』のうち北海道と青森県の伝説を収めた巻である。人間の始めやコロポックル、アイヌの神謡、岩木山一代記、おしら祭文、義経や弘法大師の事跡、狐や大蛇の話、地名や神社の由来などを、口承の資料を中心に採る。伝承地を記した例話を冒頭に置き、〔類話〕〔文献〕〔参考〕の欄で各地の類話の梗概と近世以後の文献の原文を添える編み方をとる。