田代潟に身を投げた女中と白藤神社
どんな伝承か
むかし森岳の山口に池内角左エ門という長者がいて、藤子と竜子という仲の良い二人の女中を雇っていた。藤子は榊村機織の生まれで人並みすぐれた美人、竜子は鷹巣村の生まれで気立てのよい娘であった。若者たちが言い寄っても藤子は相手にせず働いていたが、やがて毎晩どこかへ出かけるようになる。若者が後をつけても足が早く、見失うばかりであった。藤子は毎夜、田代村の白津山の山頂にある正法院に通い、若く美しい修験者に思いをかけていたが、道心堅固な行者は求愛に応じない。藤子は世をはかなんで田代潟に身を投げた。竜子から真相を聞いた角左エ門は哀れんで湖畔に弁財天を建立し、白藤神社として祀ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第2巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第2巻』所収の「文化叙事伝説」64話(岩手・宮城・秋田)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。