飛脚をつとめた狐与次郎の社
どんな伝承か
江戸からの帰り道、六田村を通りかかった与次郎は、疲れきって腹が減っていたところへ油揚の匂いがしてきた。一度は通りすぎたものの、その時にかぎって立ち止まり、ふらふらと戻って夢中で油揚を食べてしまった。毒を仕込んで待ち構えていた六田村の飛脚たちは喜んで酒盛りをしたが、その男たちはもだえ苦しんで狂い死にし、その年の稲もひどい出来でほとんど実らなかった。村人は与次郎の祟りを恐れて与次郎八幡を祀り、今も祭が続いている。殿様は与次郎の姿が見えないので調べさせ、六田村からの悲しい知らせを受けると、城の庭に稲荷神社を建てて与次郎を祀った。それが千秋公園の与次郎稲荷神社である。
原典より
神明山はところどころ竹やぶでおおわれ、狐のよいすみかになっていた。—— 日本伝説大系 第2巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第2巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第2巻』所収の「文化叙事伝説」64話(岩手・宮城・秋田)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。