和歌に微笑んだ大願寺の笑地蔵
どんな伝承か
大願寺は垂水の長者岩氏の冥福のために建てられた寺で、正しくは孤雲山仏生院大願寺という。寺宝に釈迦如来、不動明王、地蔵菩薩の三体を伝え、釈迦如来は岩氏の守り本尊、不動明王は念持仏であったという。地蔵菩薩は後一条天皇の御代、長柄橋の橋杭を用材として定朝が刻んだものである。その開眼供養のとき、勅使として下った大納言藤原公任が像を拝して和歌を手向けると、たちまち像は微笑を漏らしたと伝わる。難波の笑地蔵として名を知られている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第9巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第9巻』は、日本伝説大系編集委員会が編んだ伝説資料集の一巻である。三重・奈良・和歌山・大阪の各地に伝わる伝説を、三輪山・安珍清姫・弘法清水・油掛け地蔵など百余りの話型ごとに集める。各話型は例話を冒頭に据えて『日本伝説名彙』などとの対応を示し、〔類話〕に伝承地と出典つきの梗概を並べ、〔文献〕に近世以前の史料の原文を添えて補う構成をとる。