船から喜捨を受けた法道上人の鉄鉢
どんな伝承か
鉢が峰は三原市木原町の後にそびえる標高四二九メートルの峰で、頂上を伏せた鉢の形に見えることからこの名がある。南斜面には智恵を授けるという虚空蔵を祀る堂があり、開基の法道上人は閻魔大王から得た鉄鉢を持ち、鉢がひとりで海へ下りて船から喜捨を受けては戻ってきたという。ある時、鉢に干鰯を投げ入れた船を鉢が沈めてしまった。上人の入寂後、この鉄鉢は神石郡の星降山へ飛び去り、山伏の宝物になったと伝わる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第10巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第10巻』は、全国の伝説を型ごとに分けて集めた叢書の一巻である。岡山・広島・山口の三県を伝承地とし、蘇民将来、吉備津彦と温羅、厚狭の寝太郎、化け猫、河童駒引き、夜泣き石、姥棄て山などの伝説を、聞き書きや市町村誌、民話集から採って収める。「文化叙事伝説」と「自然説明伝説」の部に分けて番号順に並べ、各話には伝承地と本文のあとに〔類話〕と近世の地誌などを引く〔文献〕を添える。