ワラゾウリで結ぶ一夜夫
どんな伝承か
東京都青ヶ島に伝わる。道士の徐福が始皇帝の命で不老不死の薬を求め、童男童女五百人ずつを八十五隻の船に乗せて出たが、船は難破し、徐福は紀州熊野へ、女の船は八丈島へ、男の船は青ヶ島へ着いた。男女が同じ島に住むと海神の祟りがあるとして両島に分かれ、年に一度南風が吹くと、八丈島の女たちは自ら編んだわらぞうりに印をつけて浜に並べ、青ヶ島の男を待って一夜の夫と定めた。生まれた男児は男ヶ島へ、女児は島へ残したという。のちに流された為朝が祟りのないことを示して男女の行き来を改めさせ、島の名も青ヶ島と改めさせたと伝える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第5巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第5巻』は、叢書「日本伝説大系」の一巻をなす伝説資料集である。埼玉・千葉・東京・神奈川・山梨の伝説を扱い、二つの太陽、蹴裂明神、ダイダラボッチ、平将門、源頼朝、豪徳寺の招き猫、黒塚、山の背競べ、親捨てなどの話ごとに、口承を重んじて選んだ例話を掲げる。各項は例話に〔類話〕〔文献〕〔参考〕を添え、類話は伝承地ごとに梗概で示し、文献は近世以後の史料を原文で抄出し、柳田・高木の分類による話型名を併記する。