戦死者の怨念が麦を曲げる八幡原の逆穂
どんな伝承か
川中島古戦場の七不思議の二つ目。八幡原一帯はかつて甲州軍の穀倉地帯だった。永禄四年九月十日、この野で大激戦が繰り広げられ、戦に倒れた人々の怨念が土にしみ込んだ。翌年の春に育った麦にはその妄念が表れ、穂のいちばん上の節から不思議に折れ曲がって下を向くようになった。これを逆穂といい、以来八幡原の周辺にはこうした麦穂が数多く見られるという。
原典より
それ以来麦穂の最上部の節から不思議に折れ曲って下を向く。—— 信州七不思議(降幡利治・1984年(昭和59年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
信州七不思議(降幡利治・1984年(昭和59年))
『信州七不思議』は、降幡利治が昭和五十九年に著した信州各地の七不思議を集めた本である。諏訪大社上社と下社の御神渡りや筒粥に始まり、松原湖、生島足島神社、川中島古戦場、志賀高原、浄光寺、雲上寺、立石など県内各地に伝わる七不思議を、町村誌などの資料と聞き取りをもとに記す。各地の七つの事柄を箇条に掲げて関わる社寺や史跡の解説を添えるガイド風の構成で、序では越後の人が信州人の気質を評した七不思議を紹介する。