煙と砂を吐いた青ヶ島の池の沢
どんな伝承か
青ヶ島そのものが噴火によってできた島だが、人が住み着いてからは大きな活動の記憶がなかった。承応元年の辰の年、地の底が激しく焼けめぐり、あちこちから煙が上がったものの、火を噴き出すまでには至らなかったという。それから十八年後の寛文十年には、大池の底が細かな砂を吐き出し、それが十年ものあいだ止まなかった。ただし草木の育ちを損なうほどではなかったらしく、神土のまわりには大木が多かったと記録は伝える。島で池の沢と呼ぶ旧火口原の盆地には、周囲七、八町の深い池があり、その一帯が島人の主な作場だった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第1巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第1巻』を全451話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。