炉端の餅で縁を占う餅焼きの戯れ
どんな伝承か
柳田村で迎えた正月の夜には、例の十二か月の年占が行われた。餅焼きというのももとは年占であったろうが、この頃にはすでに縁結びの戯れに応用されている。餅を小さく切って男と女を定め、それを炉の片脇に並べて置くと、焼けてふくれていつとなく近づいてゆく。それを見て、それ男が寄って来たとか、これは女の方から手を出したとか言って、娘たちが笑いどよめいたと書いてある。焼餅を焼くという語が嫉妬を意味するのも、多分は昔行われたこの遊戯が元であろうという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第2巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第2巻』を全331話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。