峠に独居した甘酒売りの翁
広告枠(AdSense)
どんな伝承か
乙爺は数十年の間、山の中に独りで住んだ人である。よい家柄であったが、若い頃に財産を傾け失ってから世の中に物思いを絶ち、峠の上に小屋を掛け、甘酒を往来の人に売って暮らしを立てた。駄賃附の者たちはこの翁を父親のように思って親しんだ。少し収入の余りがあれば町へ下りて来て酒を飲む。赤い毛布で作った半纏を着て赤い頭巾をかぶり、酔えば町の中を躍って帰るが、巡査もとがめなかった。いよいよ老衰した後は旧里に帰り、あわれな暮らしをした。子どもはみな北海道へ行き、翁はただ一人であったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第4巻』を全822話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。
種別から探す
遠野市の伝承
広告枠(AdSense)