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峠に独居した甘酒売りの翁

所在地岩手県遠野市土淵町山口
年代明治期
登場新田乙蔵、乙爺
出典定本柳田国男集 第4巻
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どんな伝承か

乙爺は数十年の間、山の中に独りで住んだ人である。よい家柄であったが、若い頃に財産を傾け失ってから世の中に物思いを絶ち、峠の上に小屋を掛け、甘酒を往来の人に売って暮らしを立てた。駄賃附の者たちはこの翁を父親のように思って親しんだ。少し収入の余りがあれば町へ下りて来て酒を飲む。赤い毛布で作った半纏を着て赤い頭巾をかぶり、酔えば町の中を躍って帰るが、巡査もとがめなかった。いよいよ老衰した後は旧里に帰り、あわれな暮らしをした。子どもはみな北海道へ行き、翁はただ一人であったという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)

柳田国男編『定本柳田国男集 第4巻』を全822話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。

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