箱根権現の杓子町
どんな伝承か
中山道碓氷峠の熊野権現は上信二州の境の上にあり、往還の両側に社家町が立ち続いて、そこで大小の杓子を売っていたので杓子町とも称したという。これとよく似ているのが箱根の杓子町で、やはり相模と伊豆の境山に接し、今の箱根宿の一区画、湖水に臨んだ芦川町のあたりにあった。街道がまだ北岸を通っていた頃には、山杓子を細工してこれを箱根権現の坊中に納めて生計とし、当時は今よりはるかに盛大であった修験者たちが、その杓子を檀家への配札に添えて贈ったと「新編相模風土記」は伝えている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第4巻』を全822話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。