墓場に瓢箪を置く新仏の盆迎え
どんな伝承か
瓢や杓子を魂の宿りとする例として、ネフスキーが陸中遠野で聞いてきた話が挙げられている。それによれば、新仏は三年の間は盆にも家に来ることができないが、ただ代わりの物を墓場に置いてくれば来られるという。そこでその三年の間は盆ごとに墓場へ瓢箪を持って行き、これを代わりに置いて聖霊を迎えて来るのだという。死霊を恐れて駆逐した昔の魂祭が、次第に送るよりも迎える方に重きを置くように変化したものであり、各種の比佐古がこの場合に用いられるのは、魂の入れ物という意味を離れてはその起原を想像できないとされる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
『定本柳田国男集 第4巻』は、柳田国男の著作を集めた定本の一巻である。岩手県遠野の伝承を佐々木鏡石から聞いて書いた「遠野物語」、山に入った人や神隠しを論じた「山の人生」、河童・ひだる神・一つ目小僧・天狗などを扱い妖怪名彙を付す「妖怪談義」を収める。ほかに「山人考」「史料としての傳説」「比丘尼石の話」「山人外傳資料」「『イタカ』及び『サンカ』」「山民の生活」など、山人・漂泊民・妖怪をめぐる論考を併せる。